人間関係のトラブル
離職によりスタッフとの会話不足を自覚。同じ方向を見れていなかった。
2022/01/07 人間関係のトラブル
渡邉 啓吾 社長
【事業内容】
ソシオバンク協同組合
・組合員の必要とする資材及び消耗品等の共同購買
・組合員のためにする高速自動車国道及び一般有料道路の通行料金支払い代行事業
・組合員のためにする共同宣伝事業
・組合員の事業に関する経営及び技術の改善向上又は組合事業に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供
・組合員の福利厚生に関する事業
・前各号の事業に附帯する事業
SCORE LIFE株式会社
・車両管理及び車両経費コンサルティング
特定非営利活動法人SCORE
・スポーツクラブ、スポーツ教室の企画、運営事業
・放課後子ども教室の運営事業
・経営相談、コンサルティング事業
コミュニケーションが取れていなかったことでスタッフが離れていってしまった
──この経験があったから今一番活きているなという経験を教えてください。
失敗という言葉は好きではないのですが、敢えて失敗という言葉を使うのなら、「人」でちょっと自分が失敗したのかなと。そこで反省して成長している自分がいる気がします。
──人とのコミュニケーションですか?
そうですね。社内、社外に対するコミュニケーションにおいて自分の修正するべき点を人から学ぶことが多いなと思います。
例えば、自分が経営しているすべての会社に携わっていて10年以上の付き合いのある自分の右腕の人間が会社から1回離れたことがありました。その時に、方向性がわからないということを言われたんです。
その時は、会社をどんどん広げていくことばかりで、その先に何があるのかという目標設定や事業計画が自分の中ではあったんだけど、それをしっかりと明示してなかった。ただ単に明示するだけじゃなくて、これはどうしてなのかというのをしっかりコミュニケーションをとって説明できていなかったんです。
──結局、その方とはどうなったんですか?
その人は帰ってきてくれて一緒にまたやってくれています。ただ、従業員でも会社を辞めるとなった時に、「もっとコミュニケーションをとれていればよかったな」ということをすごく感じますね。
──「会社辞めます」と言われるまでは、コミュニケーションについてあまり気にしたことはなかったんですか?
そう、それまでは気づかなかったですね。昔はあまり会議をしない方がいいと勝手に思っていたんですよね。
──あまり話しすぎない方がいいと?
そうです。例えば、社長である自分が近くにいると仕事しづらいだろうという勝手な固定観念です。それからは自分を戒めて2ヶ月に1度は必ず個人面談を設けて、スタッフと話をする時間を取るように学びましたね。
製造業の雇われ社長に!社内改革で会長との関係性が崩れてしまった
人間関係で大変だったことがもうひとつあります。昔、製造業の社長をやっていたんです。
──え、製造業の社長ですか?
はい。創業80年ぐらいの製造業で、工場も一千坪ぐらいの会社でした。そこの社長がご高齢だったので、社長をやってくれないかとお誘いを受けて引き受けました。
その前社長が会長になって、僕が雇われ社長になりました。7年前くらいだったんですけど、その会社はパソコンがなかったんです。
有名な大手取引先が結構あったんですけど、そこからの仕事が減ってきていたんですね。それで、僕が取引先に行って減ってきている理由を教えてもらったら、パソコンがなくてFAXと電話でしかやりとりが出来ずに資料データの受け渡しに不便を感じるというのが原因のひとつだったんです。
それでパソコンを買って、パソコン研修をしました。そしたら会長が「そんなところにお金をかけて、お前なにやっているんだ!」と(笑)
そこから喧嘩になって関係性が崩れちゃって……
──それで売り上げが上がっていたら文句の言いようはないですよね?
結果的に売上は上がっていると思います。また、ホームページもなかったので機械が金属削ってる動画を作ってyoutubeにアップしたりとか。
製造業は人材の高齢化も進んでいて、若い人材も登用していく必要があります。僕としては製造業にあまり綺麗なイメージがなかったのでそれも原因の一つかと思い、そこも変えていきたかったんです。作業着をかっこよくすることも考えていましたね。
でも、会長からすればいらないところに金使うなよと。でも、僕からすればそれは投資ですよと。
その時にそういう言い方をしたんですけど、長年やってこられた方に対する言い方や説明の仕方が自分の中で身に付けられてなかった。その身に付けてない状況で老舗の製造業の社長をやったというのが失敗ですよね。身の丈知らずというか。
──そうなんですね。会社の雰囲気はガラッと変わったでしょうね。youtubeだったりとか、ネットとか。
そうですね。みんなびっくりしていたと思います。この社長やばいなって(笑)
──社内の改革をする中で、社内の人から反発はなかったんですか?
反発はなかったですね。最初に個人面談をたくさんして、今の問題点とどうしていきたいかというのを時間かけてヒアリングしていましたから。
コミュニケーションが一番大事だと思いますね。会長からすれば僕の説明が難しくて全然わからなかったんでしょうね。単語の使い方含めて説明の仕方が下手だってことですよね。
──やっぱり年代によって伝え方は変わるんですか?
伝え方はめちゃくちゃ大事ですね。
今、僕が喋っている言葉でも通じてない言葉はあるだろうし、それを瞬時に察しないと自分としては能力がないと思うんですよ。
──察するとは?
そうそう。表情を見て、自分が言っている言葉は通じていないなと。それを表情からわかるようにならないと営業マン・経営者じゃないと思うんですよね。
僕、サッカークラブの経営もしているんですが、月1、2回ぐらいなんですけど、少年サッカーの指導にも入るんです。そこで感じるのは、子どもたちは表情にすぐ出る。子ども達の表情をみて営業の勉強もしているんですよ。
多くのコーチは、本や動画を見て、プログラムは非常に良く考えていると思います。ただ、その練習の説明の仕方が難しいんですよ。「シュート」という言葉がわからない1年生もいますし。
なので、「シュート」というのは何なのかというところからしっかり説明してあげる。聞いている側の顔の表情をみて説明してあげるのが大事だと思います。
──子どもだったら表情からわかりやすいかもしれないですけど、大人だと表情から察するのは難しくないですか?
最初に堅くなってかしこまったらダメですよね。だから1回崩すんですよ(笑)
──崩す?それは一歩間違ったら失礼になってしまいそうです。
それでもいいんです。相手を怒らせてしまったこともありますよ。僕はわざと遅刻することも結構あるんです。
3分~5分遅刻すると自分が謝ることになるじゃないですか。そうすると向こうが「いいよいいよ。」とラフになってくれるんです。「なんで遅刻するのに連絡しないの?」と怒られましたけど(笑)その後、雨降って地固まるじゃないですけど、今の僕のお客さんです。
どうしたら自分のインパクトが相手に残るかというのが大事だと思います。
──たしかに、営業は印象に残ってもらうことが大事だと聞きますね。
そうそう。話す内容や外見もそうだし、匂いもそうですよ。
──相手の表情を見て言葉を変えたりというのは、営業だけではなくて従業員の方やそのほかのコミュニケーションでも活きているんですね。
インタビューありがとうございました!
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