仕事のやらかし
【仕事のやらかし】知り合いだからと言って仕事を振ってはいけなかった!言われたことを鵜呑みにするな!
2021/12/28 仕事のやらかし
株式会社東光社 森谷智之 社長
【設立】
1957年1月
【事業内容】
印刷に関わるグラフィックデザイン
看板製作・施工・ノベルティ制作
立体物へのプリントなど
失敗①営業は相手の立場になって話すこと
──サラリーマン時代の失敗はありますか?
前の会社で上司に同行してもらった時に、言われたことなんですけど。
お客さんに色々説明する時に、まず良い情報を伝えてからネガティブな情報を最後に教えたんです。それは逆だと言われました。
──え、なんでですか?
最後の言葉の方が頭に残るからです。だからネガティブな情報の上にポジティブな情報を上書きした方が絶対いいなと思います。
例えば「Windows11が出てHPもこれだけ画期的に変わるんですよ。」って話をした後に、「でも2年後にWindows 8のHPは更新ができなくなるので、2年後使えなくなります。」って後に言われたほうが刺さっちゃいますよね。
だったら「2年後にWindows 8が使えなくなります。HPの更新ができません。今度Windows11っていうのが出てくるので、時期をみてコンバージョンしましょう。」と。
「その代わり機能的にこれだけアップするんですよ。」って言うと全然印象が違うじゃないですか?
どうしても良い情報を先に与えたいっていう気持ちが出るんですけど、悪い情報も覆いかぶさないと良い情報も結局はだめで、「良い提案をしてくれなかった。」となってしまうので。その時は上司に言われて「なるほどね。」って僕は思いました。
──営業はそういう部分も考えないとだめなんですね。
そうですね。そう、だからお客さんの身になって。
あくまでも営業ってその会社のツールを持っていくから、「これやってこい。提案してこい。」っていうものに対して行くからどうしても前の物を否定してしまいがちなんですけど、「前のも良かったんですけど、さらにこうなります。」っていう方が良いと思う。
あれは身になってるかなと思いますね。だからそれは失敗から学んだことです。
失敗②知り合いだからと言って仕事を振ってはいけなかった
現在の会社(株式会社東光社)で印刷のブローカーさんとの取引でHPの依頼が来たんですけど、自社内でやりきれなかったので知り合いに依頼したんです。
その方の話を鵜呑みにしていたこちらもいけないんですけど……
その会社の能力が正直いうとこちらの想像を越えて、低かった。
提案力もなく、どちらかというと、言われたことをそのまま作るみたいな感じで、痒い所に全然手が届かない業者選定をこっちがしてしまって……
お客さんの思った通りのものがあがってこないというので、結局その仕事を別のフリーランスのWeb制作の方にまるっと、お願いすることになりました。
社長と担当者との考え方が若干違っていて。そこのズレもあったんですね、先方も。
そこの意思疎通のところがうまくいかなかったので、他の人に任せてしまった方が多分スムーズに進むなと思ったんですけどね。
だからそこで学んだのは、知り合いだからといってその方の言うことを鵜呑みにしてしまうと痛い目をみるということです。
──知り合いだから仕事をお願いすることはよくありますよね。
そうなんですよね。知り合いだから多分大丈夫だろうと思ってやってみて、結果だめだったという感じですよね。
業者選定というのは本当考えて、本当に実績ベースでみないとだめってところですかね。
失敗③取引先との価格交渉でやってしまったこと
ある大手の印刷会社から仕事を受けたときの話ですが。当時の印刷業界は先に値段を決めずに、あとから値段を言ってくるのです。「これで。」と。
そしたら「えっ、そんな値段いってくるの!?」みたいな値段を言ってきて、もう難癖つけるわけですよ。「無理ですよ。先に言ってくれてればやり方など考えますけど、あとから言われたら難しくないですか?」と僕は意見を曲げなかったんです。
そしたら後日、現在の会長である当時の社長が先方に呼び出されて、結局は向こうの言い値でやりました。それ以来、その担当者からは仕事の依頼はなかったですね。
失敗というと価格交渉の時に社長を呼び出させちゃったということかな。
でも、突っ張りたかったんですよ。
下請けを下請けとしかみてないっていうのが僕の中では前職の経験があるので、ちょっと納得いかなくて。
──その後はその会社とは良い関係を築けないですよね?
直後にその大きい印刷会社が、景気が落ちたこともあり、社内に余剰人員がいっぱいいるっていって、デジタル化に一気に拍車をかけたんですね。だから、そのまわりの写植屋さんとか、版下屋さんが軒並み廃業しました。
ほぼほぼ90%以上の売上はそこの会社からもらうしかないわけですよ。だからそれがなくなっちゃったわけですから、当然アウトですよね。
そうやって考えていくとなんかね、逆にあの時そうなってよかったのかなって、結果論ですよね。
うちもデジタル化の波に逆らわないで乗っかっちゃった部分もありましたから。結果論ですけど、そんな失敗ではなくなっているんです。
──振り返ってみたら失敗ではないというのはありますよね。私なんて日々小さい失敗してますよ。メールの返信し忘れたりとか……(笑)
「あーこのお客さん嫌だな、電話でるの。」と思って何回も出ないっていうのはあります(笑)
──どうなるんですか?あとから「なんで出てくれなかったんですか?」って言われるじゃないですか(笑)
1回文句言われたことありますよ。「ちゃんと電話出て下さい。」と。僕の中では正直、「いや、あなただけの仕事してるわけじゃないし。」というのはありますよ。
──私もあります。お客さんから仕事と関係ない連絡がたくさん来た時も全部返してたら他の仕事が終わんなくなっちゃって……
うん、だからそれはうまくやればいいんじゃないのかな。でもやっぱり1年目だからそれはね、しょうがないと思いますよ。
──そのへん難しいですよね。お客さんだし、対応しなきゃって。
本当に手が離せない時とか、今出たくない時は電話に出ないです。
出てみて話が長くなりそうだったら、正直に言います。「ちょっと今手離せないです。」とか、「ちょっと今メモがとれないんで、メール入れといていただけますか?」とか。
良い印象には時間がかかるわけですよ。だけど何かやらかすと一発でそれだめになりますからね。
信頼は長い時間かけなきゃなんないですけど、失うのは一瞬ですから。
──なんかコミュニケーションとか人間関係って難しいですね。
うん。とくにこのコロナの時期は難しいですね。顔合わせることも本当難しいので。
どう信頼をとるかっていうのは、まぁ営業としての腕のところなんだろうなと。
──お客さんとの対応だったり、取引先との交渉だったり自分の意見を貫くべきときは貫いていいんですね。
インタビューありがとうございました!