女の転職

体調不良で転職を繰り返す。1人で頑張りすぎて人に頼ることができなかった。

2021/12/22 女の転職

自己流スローライフ推奨委員会 三上さくら代表

挫折経験や度重なる体調不良によるキャリアの方向転換……

そのたびに立ち上がってきたという三上さんの失敗談とは?

【活動内容】

株式会社ゼロワン出版で編集長として働きながら女性起業家として副業コンサル、インスタグラマー、カウンセラーなど様々な活動をしている。

 

──まず、会社員として働きながら女性起業家としてどんな活動をされているのか教えてください。

私は、会社員なのでもう一つ収入の柱が欲しいと思っていました。その経験から「副業なんてできない」と思っている人に副業を教えるコンサルをしています。他にはインスタグラマーです。インスタグラムを教える講座や商品の紹介をしたりしています。

私は、人生に「ライフスタイルをマネタイズ」というコンセプトがあるんです。ご飯を食べている時も宣伝になったりとか、住んでいる田舎をYouTubeで家の紹介をしたりだとか……

他の人がどういう風にやりたいとかどういう生き方をしたいという方に、こういう風にお仕事に繋げたらいいんじゃないですかとアドバイスをしています。

それ以外には電子書籍で自分のライフスタイルを書いたりと、色々な活動をしています。

「よし、ここからだ!」という時に度重なる体調不良

──お話を聞くととても順風満帆な感じがしますが、これまでに大変なことはありましたか?

ありましたね。私は、もともとプロのダンサーだったんです。大学4年生の頃に社交ダンスでプロとしてデビューたんですけど、デビューしてから5年後くらいに突発性難聴になってしまいました。

お教室でお仕事をしながらパーティーや試合に出て世界選手権に出たりもしていたんですけど、当時は、周りの期待やプレッシャーもありましたし、パートナーともケンカばかりしていていました。

ある朝、起きたら耳が聞こえなくなっていたんです。音楽が聞こえないのでダンサーとしてダメになっちゃって……逃げるようにしてダンス界を去りました。

しばらく実家に戻って療養していたら耳が聞こえるようになったので、今度はパソコンの仕事をしたいと思ってIT系の会社にアルバイトで入社しました。

アルバイトから正社員になって主任にもなったんですけど、そこからまた頑張りすぎてしまったみたいで、不安神経症になってしまいました。電車に乗っている時に「誰かが私のことをダメだと言っている」と思ってしまって電車に乗れなくなってしまったんですよ。4年勤めたんですけど休職の末、退職しました。

次は、電車に乗らずに自転車で通える範囲で仕事を探したんです。ペンキを売っている会社に就職したんですが、5年くらいすると目まいがすごくなってしまって、体調が戻らず……

──その後、別の会社に転職されたんですか?

そうですね。その時に、ゼロワン出版の編集長の求人を見つけて面接に行ったところ、鈴木社長に拾っていただいたという経緯です(笑)

なので、私は本当に無理をしすぎて「よし、ここからだ」という時に大体、会社に行けなくなってしまったりとか……

──頑張り過ぎてしまうんですね、きっと。

自分では「ダメダメな私を拾ってくれたからなんとかして頑張らないといけない」という感じでがむしゃらに1人で頑張ってしまうんです。

全部1人でやってしまうのがよくなかったんだなと。今の社長は「頑張ってる方向が違う人を救う」と言っているんですけど。まさに私が頑張り方がきっとズレてしまっているんだろうなと思いました。

キャリアアップでいうと自分の理想通りにはなれているんだけど、自分の限界を知らないで無理していたんだなと言うことに気付きました。

自分には足りないところがあるという意識から「すみません」と言うのが口癖だった

──誰かに頼ったりはあまりしなかったんですか?

頼ると負けてしまうと思っていました。頑張り屋の女性あるあるかもしれないですけど悔しいんですよね、頼るというのが。

自分でやった方が早いと思っていたのもあると思います。

私はいつも何かをやってもらったりアドバイスをもらったりした時も「すみません」と言っていたんですけど、ある時「すみません」じゃなくて「ありがとう」と言ってくれない?と言われたんです。アドバイスだから「ありがとう」と受け取ってと。

その時に、私は人の行為や善意を受け取るのが下手くそなんだなと思ったんです。私は出来てなくて足りないところがあると思っていたから「すみません」と言っていたんですけど、「ありがとう」と言った方がお互いに気持ちがいいよねと。

──日本人だと「すみません」と言ってしまうこと多いですよね(笑)

そうなんです。量子力学でも「すみません」の言葉の波動よりも「ありがとう」の波動の方が良いらしいんです。なので手伝ってもらったりした時に「ありがとう」と言うようにしてからだんだんと良くなってきたなと思いました。

──色々と1人で頑張りすぎていた時期もあったと思うんですけど、いつから変わったんですか?

そうですね。今の会社に入ってからなのでここ1、2年ですね。それでも最初の頃は「編集長」という肩書もいただいたから、1人で頑張らないと、と思っていたんです。電子書籍の出版は副業としてやっていたんですが、紙の本の出版は無知で。無理に決まっているのに最初はその紙の出版を1人でやろうとしていたんです。

──1人ではできない部分があるんですか?

紙の本はライターやデザイナー、本の中身を作る組版の人、校正など色々な人が関わっているんです。色々な人と関わっていくうちに、むしろ自分の得意な部分を担当すればいいということに気付きました。

1人で頑張っていても意味がないんだと。それぞれが得意な部分を担当した方が良いものが出来ると思うようになりました。それに気が付けたのは大きかったですね。

だからこそ、仲間やチームとやって大きいことができるんだと感じて今の会社にいます。もっとメンバーが集まったらさらに大きいことを実現できるんだと感じています。

──1人で頑張ってしまう人はたくさんいると思います。まだそのことに気付いていない人も多そうですね。

特に20代で体調も良くて元気だとこの話は分からないと思います。私も20代の時は「なんでもっと頑張らないの?」と思ってました。本当だったら1人のアイデアよりも20人のアイデアがあった方が良いじゃないですか。でも、その時は1人でできるぞとアピールしていたんですよね。

でも、大事なことはアピールよりも、会社の製品が売れてお客様が喜んでくれることだと思うんです。私はそこまでは見ていなくて、「自分はこんなにやっているぞ」というところしか気にしてなかったです。恥ずかしいですね……

──1人で頑張り過ぎちゃって体調崩してしまったりという方も多いですもんね。

そうなる前にコントロールしたり誰かを頼ればいいんですけどね。鬱になってしまった自分はダメだと思ってしまうんですよ。また立ち直って徐々に社会活動をしても、一度ドロップアウトしてしまった自分はダメだという風にまたなっちゃって……

でも、何度でもやっていいんです。私は波みたいな人生でしたけど、どんどん良くはなってきているので。

──特に頑張っていた人は1回失敗するともう終わりかもと思ってしまうかもしれないですね。その時にまた頑張ろうと思えるのはなぜですか?

私の場合は、ダンスでチャンピオンになるのが夢だったのに、そこで挫折してしまった自分はもう何もできないと思ってたんですけど、「こんな底辺にいる自分なんて」と悔しくなったんです。

あとは、「思考は現実化する」という本に出合ったことも大きいです。変わりたいと思った時にたくさん本を読みました。300冊くらい読んだ時に「全部同じようなことが書いてあるな」とふと思ったんです。すべては結局「思考は現実化する」というようなことが書いてあるなと。

人間は良いことは「引き寄せた」とか思うんですけど、悪いことは「どうしてこんなことになってしまったの」と急に他人のせいにするんですよね。でも、悪い時も自分のせいだ、何がいけなかったんだろうと考えてみると「私は自分のことをすごく否定してる」からダメだったんだと気付きました。

何を考えてもいいのに、基本的に悪いことを考えているんですよ。人間はデフォルトで悪い方向に考えると思っていて。自分からは悪い考えしか出てこないから意識的に良い考え方に変更しようという感じでした。

苦しいときは「成長期が来た」と思えるように!

──思考回路が変わったことで活かされたことはありますか?

私のお客さんには、昔の私の思考回路と似た人が多いんです。だから、共感ができるんです。副業のカウンセラーをやっている時に思ったのが、病院の先生はその症状についてはわかるんだけど先生自身はその症状を体験したことがないということです。

私は今までに鬱や不安神経症、めまい、突発性難聴、摂食障害と色々と経験しているんですけど、それは全部そういう状況にいる人たちに共感するためだったんだと思いました。失敗がなかったら語れないことがあるし、そういうのはいつか役に立つときがあるんだなと。今、苦しいことがあってもそれは経験値が積まれるだけなので。

──失敗している最中はそういう風に考えるのは中々できないですよね。

そうなんです。難しいんですよね。訓練です、これは。

たとえば、自転車の補助輪を取った時はコケたり、誰かに支えてもらったりしないと乗れないじゃないですか。でも、一度乗れるようになると中々転ばなくなりますよね。

それと一緒で、なれないことをするとコケるんですよ。一回コケて辞めてしまう人が多いんですけど何度もコケると、コケるのが難しくなるくらいになれちゃう。だから、苦しいときは「成長期が来ちゃった」と思うようにしています。

「この成長を超えたら、私またすごくなる!」みたいな。

──ほんとうに考え方次第で変わるんですね。

思考回路って変わるまでに最低3週間はかかるらしいんです。

──え、逆に3週間で変われるんですか!?

「変わる」と信じていても、途中で「やっぱりダメだ」と思うとリセットされちゃうんです。「変わる」と3週間思い続けないといけないんです。でも、無料で誰の協力もいらないのに3週間考え方を変えただけで人生が変わるかもしれないのってすごくないですか?

──たしかに、でもすごく信念が必要になりそうです。

事実は「3週間で思考回路は変わる」。

これを聞いたときに「ラッキー!3週間で人は変われる」と思う人と「難しそう、できるかな?」と思う人がいます。

ネガティブな自分とポジティブな自分がいて頭の中で脳内戦争するじゃないですか。その時に自分が応援した側が勝つんです。要は、どっちを応援したいかというだけなんです。大体、放置するとネガティブが勝っちゃうんです。だから意識的にポジティブを応援してあげればポジティブになると思っています。

そういう感じでやってきて、20代に苦しいなと思う時期はありますけど今は本当にあの頃からやっていてよかったと思います。年を重ねるたびに良くなっていますね。

──苦しかった経験が実際に今はお仕事につながっているんですね!

そうですね。なので嫌なことや苦しいことがあった人の方が広がるかもしれない。経験値ですね。

すごい人に「頑張りなよ」と言われるとカチンとくるけど、「私もそうだった!すごく苦しいよね」と共感してあげると少しやさぐれた心も癒されますしね。

正論だと人は傷ついてしまうとわかっている人は、絶対に正論は言わないと思うんですよ。私は自分の周りに傷ついている人がいたら助けた方が良いと思っているので、その人の心がほっこりする言葉を使えたらなと思っています。

──頑張り過ぎてしまうといつか限界が来てしまうんですね。苦しかった経験があるから人に共感できるという考え方がすごく好きでした!

インタビューありがとうございました!

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