人間関係のトラブル
事業を立てることに必死で組織のコミュニケーションをおろそかに
2022/01/21 人間関係のトラブル
株式会社AMDIA 伊藤淳也 社長
【事業内容】
■システム開発・保守業務・データセンターインフラ設備提供業務
■メール配信事業
■WEBコンサルティング
■貿易事業
新規事業にがむしゃらになり、コミュニケーションの優先度が低くなってしまっていた
──伊藤社長の失敗談を教えてください。
起業当初は事業のことで余裕がなく、組織としてのコミュニケーションをおろそかにしてしまっていたことです。
2011年の東日本大震災の時に物が売れなくなった時期がありました。うちのオーナーが日本の外で商流をしっかり作ったうえで、日本に貢献するという道もあるんじゃないかということで、渡米してグループ会社を起こしました。
通訳の方の義理のお父さんが金メダリストだったので、その方と食事する機会があったんです。金メダリストは特にアメリカではステータスも高くてですね。色んな輸入商材というか、「こういう商品どうですか?」みたいな問い合わせがたくさん来ていたんです。その方も日本に販路が無かったというのもあって、販路を協力することになりました。
──システム開発やWEBの事業とは別に輸入も?
はい。僕らは本当にシステムしかやってこなかったので、物流・物販といったものはド素人からスタートしていたんですね。
まずはスポーツグッズを色々販売して、物販のやり方を学びました。次に電子タバコの輸出入も開始しました。
──輸入業を始めた頃は大変でしたか?
僕らもベンチャー企業だったので当時はがむしゃらでしたね。僕ら幹部は会社を長く続けるうえで、1つの事業では会社が成り立つとは考えていなかったんです。
最低でも3本柱があって初めて会社としてあり始めると。現在も弊社はシステムと物流事業部という大きくこの2つでやらせて頂いているんですけど、もう1つ柱を作っていかないといけないとかですね。
どの事業部がどういう状況があって潰れるか分からないので、とにかく3つの事業を立てるというのでがむしゃらに、寝ずに対応したりしていました。
そんな中で、僕もオーナーも前の会社が一緒だったというのもあって、前の会社から結構僕らに賛同してくれて、入ってくれた人がいたんですよ。
でも、あるタイミングからもともと長くやって頂いてたメンバーが次々と辞めていった時期があったんですよ。
もともと始めからいたメンバーで10人くらい辞めたんですかね。
──何があったんですか?
コミュニケーションであったり、どういう目的で、どういう意識でやっているかというか部分を軽視してしまっていました。そこからは事業を作るのと同じくらいコミュニケーションをとって認識を合わせるとか、そういう行為というのは非常に重要なものだというのが、僕の中で学んだことですね。
──それまでは「みんな同じ志でやっているんだ」と思い込んでいた部分もあったんですか?
そうですね。先ほど言ったように、我々やっていくもの全てが素人というかですね、慣れてないものを常にやり続けていた状況というのもあって、余裕がなかったというのが大きかったかなと思います。
──従業員の方たちは突然辞めてしまうんですか?理由は?
突然というのはなかったですけど、例えば厳しすぎたとかですね。
作業を厳しくしていたつもりは無かったんですけど、結果的に厳しくなっていたんだと思います。あとは作業に給料が見合っていないと言う人もいました。
そこで初めて「ああ、そう思ってたんだ」というのが、当時はすごく残念に思いましたし、人って全部一致することなんて無いんだなと。
──そうですよね。基本的な方向性はどうやって一致させていくんですか?
基本的にはまず、掲げる目標を共有するとかですね。あとそれぞれの人が何をやりたいかを話しながら、その人の希望を叶えるように進められるような努力とか。あとは、そういう話を毎月の面談ですることを意識しています。
──今は辞めていったしまったという経験からコミュニケーションを大切にされているんですね。
そうですね。コミュニケーションとか、人に対する考え方ですかね。大切だと思っていたんですけど、しっかり行動に移せていたかというと、結局忙しさにかまけてやっている時点で、優先度が低かったんだと思っています。だから同じくらいですよね、忙しかろうが関係なく。そこは改め直した部分だと思いますね。
健康だけが取り柄だと高をくくっていたが……
これは余談の失敗談なんですけど……
電子タバコの事業をアメリカで進めていたんですよ。アメリカで販売実績を持たれているところとタッグを組んで、日本にも販路と、アメリカにも売っていきたいということでやっていた時期がありました。
その時、そこの社長さんやCOOとか、会計の方の3名が打ち合わせもかねて日本に来たのでおもてなしをしていたんです。飲食店で僕がトイレから戻ってきたらですね、僕のスーツに血がたくさんついていて……(笑)
──なんの血だったんですか?
血尿だったんです。そのあと精密検査をして問題がなかったんですけど、ちっちゃい石が中で切れて、それですごい鮮血が出てしまったという。
──それめちゃめちゃ怖いですね。
そうですね、その時はめちゃめちゃ怖かったですね。
自分でもそんなに別に痛いという感じも体調が悪いわけでもなかったんですけど、とにかく血だらけになったという。
──それはストレスが原因とかではなかったんですか?
どうなんでしょうね。結局、精密検査とか色々検査受けたんですけど、結果、分からないと言われちゃって。
健康面というのは、そこからよく意識するようになりました。健康診断以外にも検査とかは定期的に受けるようになったというにはありますね。
──起業当初はがむしゃらに働かれていたと仰っていたので、健康についてはあまり考えていなかったんですか?
僕、本当に体だけが取柄だったというか。
休んだりとか病気とかも本当になくてですね、健康診断の結果とかもものすごく良かったので、油断してたんですよね。
──それきっかけにちゃんと考えるようになったんですね。
そうですね。本当に考えた瞬間でしたね。これはヤバいと思って(笑)
そのタイミングから本当にちゃんと食べ物や運動とかも気にするようになりましたし。
年上の方から運動してないと活力も中々発揮できないから早めに運動や健康、食事を気を付けておいたほうが良いというアドバイスは言われていました。それまではそこを軽視していたというか、若い時はわからなかったんです。
やはり何か起きないと人は真剣に向き合わないんだな思いますね。
──何か問題が起きないと気付けないんですね。通じ合えていると思っている人でも、意外と気持ちが通じてなかったりもあるので、自分の思い込みだけではダメなんだなと学びました。
インタビューありがとうございました!