起業失敗談

アラサー独身で公務員を辞め起業し苦渋の4年間を過ごす。スピード婚活の経験で起業が成功

2022/01/17 起業失敗談

起業コンサルタント・著者 中山ゆう子 代表

【活動内容】

婚活開始から半年で結婚というスピード婚の秘訣を知りたいという問い合わせが殺到し、婚活コンサルタントとして活動をスタート。
クライアントが次々と結婚していく中、働き方についての相談を多数受けるようになり、女性起業家を支援する起業コンサルタントへ転身。
これまで、延べ3,000人以上の大人な年齢の女性たちに、さまざまな側面から、働き方・生き方・経済のステージをシフトさせる活動を行なっている。

──独立されたきっかけについて教えてください。

公務員で10年以上働いていた中で、同じところで一生を終えるのが嫌だと思ったんです。自分が世の中でどのくらい通用するのかというチャレンジと、もっと世の中の色んなことを見たくなりました。

30歳くらいの時に、色んな人の能力を活かしあえる職場にしたいと思ってコーチングを学び始めたんです。コーチングを学んだことで「自分がどうしたいのか」と自分とすごく向き合うことになったんです。そこで自分はどうしていきたいのかを考えたときに、「公務員を辞める」という選択肢が出てきたんですよね。

──決心してからすぐに辞めたんですか?

辞めるまでに3年かかってます。最初の2年間は「やっぱり辞めるのを辞めようかな」という葛藤がありました。

もし、仕事に不満があったりしたらすぐ辞めようと決められたかもしれないですけど、私は仕事が好きで職場の人にも恵まれていて何も不満がなかったんです。ただ、ずっとそこにいて終わるのは嫌だというだけだったんです。公務員だから安泰だということも悩んだ要因でした。

でも、一番大きかったことは「親の期待を裏切ってしまう」ということでした。それが長女の私にとって一番つらかったことです。絶対に反対されることはわかっていましたし、やりたいことが明確なわけではなく「ただ挑戦したい」ということだったので説得できる材料が何もなかったんですよね。

──親の期待通りにしないとと思っている人は多いんじゃないですか?

そうですね。大学生の頃とかはやりたいことが明確になっている人の方が少ないと思います。特にやりたいこともないし親の勧めてくれた道も悪くないなと考える人も多いと思うんですよね。

実際に勤めてみると、そんなに悪くないし生活もしていけるしこのままでもいいかなと。

──その状態から新しいことに挑戦するのはなかなか大変ですよね?

そうなんですよね。年齢を重ねれば重ねるほど大変で。私も37歳で辞めてますけど、結婚もせずに無職になるわけじゃないですか。そりゃ、周りは反対しますよね。それがわかっているから余計に辞めるときに葛藤がありました。

──公務員を辞められた後はなにを?

海外と日本をビジネスとプライベートで行き来できるような人になりたいと思ったんです。なので、英語の勉強をしようとアメリカに語学留学に行きました。

──その時も行くまでに葛藤はあったんですか?

その時はあまり考えずに行きました。やっぱり37歳で留学となると結構年齢が高いんですよ。語学学校は大体が大学生の子たちなので。浮くだろうなとも思いましたし、話も全然合わないだろうなと。

──実際に行かれてみてどうだったんですか?

全然話が合わなかった(笑)でも、ブラジルとかヨーロッパの方は30代の方もいらっしゃって、友達もできましたね。

ビジネスの基礎を知らずに自己流でやり続けて泣かず飛ばずの4年間

──帰国された後にすぐ起業されたんですか?

コーチングの資格があったので、コーチングで起業しようと思いました。周りに起業している人がいなかったので、ブログを読むようになったんです。その中にブログで集客をしている人達がいたので、ブログを書けばお客さんがくると考えていたんです。

でも、ブログを書いてもお客さんはこないんですよ(笑)

ビジネスの基礎を知らない状態で自己流でやり続けて鳴かず飛ばずの4年間を過ごしてしまったんです。

──就職をしようと思うことはなかったんですか?

それはなかったです。その4年のうちの2年間、後輩から誘われて一緒に物販の事業をしていた時期があったんです。一緒にビジネスをやろうと言ってくれる人がいたから頑張れたというのはありましたね。でも、結果的にその人が途中でどこかに行ってしまって音沙汰がなくなってしまったんです。

でも、その仕事もうまくいってなかったので辞め時なんだろうなと思えました。その時は借金もあって光熱費も払えないような状態でした。

とにかく生活を立て直さないといけないと思って車を売ったり、家も引き払って、実家に頭を下げて帰らせてもらいました。

──両親はどんな反応だったんですか?

もともと公務員を辞めることを反対されていたので、「ほれ見たことか」という感じで言われ放題でした……(笑)ちゃんとするからと約束してなんとか帰らせてもらいました。40歳過ぎて親の言うことを全部聞きました。これが人生で二度とやりたくないことですね。

一緒に事業をやっていた後輩と連絡が取れなくなったときに、お世話になっていた方に「とりあえずちゃんと結婚とかしなさい。人並みの人生を送ってみなさい。」と言われたんです。

──どうして結婚なんですか?

独身だったから好きな時間に帰って、好きなように仕事をしていたわけなんです。なので、一回型にはまって普通の人たちがどう暮らしているのかを知る必要があるんじゃないかということでした。そうでないと、これから自分で仕事をやっていく中でお客さんになる人たちに何も届けられないんじゃないのかと。

──もともと結婚願望はあったんですか?

ありました。いつか当然するものだと思っていたんですけど、できなかったんですよね。

──そこから本格的に婚活を?

そうですね。実家に戻って、まずは派遣で仕事をして借金を返しながら生活を立て直すことが先だなと思ったので1年はその生活を続けました。

生活のリズムが出来てきた時に改めて起業にチャレンジしたいということと、親に結婚することを約束していたのでちゃんとやろうと思って、コンサルを受けると同時にネット婚活を始めたんです。

婚活の体験がきっかけで起業がうまくいくようになった

──婚活を始めてから半年でご結婚されたんですよね?

ちょうど私の誕生日が7月だったので、年末でキリがよかったので半年を期限として決めました。ひとまず、期限は決めた方が良いと思います。

──その半年の間は色々な方と会ったんですか?

40歳を過ぎての婚活だから引く手あまたではないんですよ。私の場合は3人の方とメッセージのやり取りをしました。その中の2人と会うことになって、そのうちの一人が今の夫なんです。

最初に婚活するときに決めていたのは、一番に「結婚前提でお付き合いしましょう」となった人とお付き合いすると決めていたんです。そしたら後の夫となる人ではない人から「お付き合いしませんか?」と言われたんです。

──え!じゃあ、今の旦那さんのことは一度お断りしていたんですか?

そうなんです。でも断るというのがすごく切なかったんですよね。全然嫌な人じゃなかったし、メッセージのやり取りも気が楽だったんです。だけど、そのお付き合いしようとなった人は結局、1週間足らずで元カノのもとに戻っていったんです。

なので、始まったと思ったら終わったという……(笑)

それで振出しに戻った時に、同時に何人かの人と会うよりも一人ひとりの人と会うことに決めました。一人と会ってダメだったら次の人を探すという感じにしました。

──どうやって今の旦那さんと結婚することになったんですか?

そのネット婚活は一人の人とメッセージ出来る期間が3か月と決まっているんです。3か月何もなかったら今後も何もないよねという仕組みで。

その3か月が経つタイミングで夫から「メッセージのやり取りができなくなってしまうのでもう一度申請させてもらっていいですか?」とメッセージが来たんです。

その期間はお互いの婚活を応援しあうような間柄でした。また3か月が経つタイミングで、近況報告を兼ねて会いませんかと私の方から誘いました。

夫は神奈川に住んでいたんですが、年末に大阪に帰省するタイミングで私の住んでいる静岡に寄りますということで、静岡の東名のインターチェンジで会いました(笑)

その後、何度か会っているときに「結婚しましょう」となり2月には挨拶に行ってました。

私も年末に会った時には、もう一回会って「これはダメだ」と思わない限りこの人のことを考えようと再会していたんです。

──どうして結婚の決断ができたんですか?

そうですね。周りからもよく「決め手は?」と聞かれることが多かったんですけど、「決め手は“結婚すると決めた”こと」だと思うんです。

それについてメルマガに書いたらすごく反響があって、それから婚活の相談に乗りますと言ったらすぐにお申し込みがあって何か月か先まで埋まったんです。

やっぱり40歳を過ぎて婚活に苦労している人はいっぱいいるし、結婚を考えていているけど婚活をするのにはプライドが……という人もたくさんいるんです。

なので、「40歳からの幸せな結婚」というテーマでブログを書き始めて、婚活コンサルとして活動をし始めて私の起業がうまくいきました。

婚活コンサルをしていく中で、クライアントさんたちがどんどん結婚していったんですよ。

それでネット婚活だと仕事を辞めて旦那さんのところに引っ越さないといけなくなることがあったんです。そうなると40歳過ぎて転職するとなると結構厳しくなってくるし、せっかく結婚するなら自宅で仕事ができるようにしたいと相談が増えて、じゃあ起業を教えましょうかということで起業コンサルになっていったんです。

──今は中山さんの得意なことをお仕事にしているんですね。でも得意なことって自分ではわからないです。

みんなわからないんですよ。自然にできることは自分の中で当たり前にできていることだから自分で光を当てることはなかなかできないんですよね。

結構、子供のころから与えられていた役割の中にあったりするんです。私は子供の頃に学級委員をやらない年がなかったんですよ。私にとってはそれが当たり前だったからすごいことだとは思ってなかったんですけど、大人から見たらみんなをまとめるのが上手とかいう部分があったんだと思います。

結局、仕切ったりリーダーシップをとるという資質がいまの仕事にも活きていると思います。

だから、コーチングで起業して4年間鳴かず飛ばずだったのは、コーチングが私には合わなかったんだと思います。コーチングは話を聞いて、質問をして相手が自分で気が付くのを待つんです。でも、私はアドバイスしたくなっちゃうので(笑)やっぱりコンサルの方が向いてるんだなと思います。

なので、私が起業を経験してみて思ったことは「とりあえずやってみる。やりながら考える」ということかな。失敗も含めてやってみないとわからないことがいっぱいありました。やらない後悔が一番後悔だと思っています。

公務員辞めて4年間鳴かず飛ばずで借金も出来たりしましたけど、やってみたからわかったこともいっぱいあったし、もともと持って生まれた気質の自分に出会えました。

なので「やってみる」ことです!!

──今は自分の性格や得意なことが仕事になっているんですね。婚活コンサルと起業コンサルにそんな繋がりがあったなんて、本当にやってみないとわからないものだなと思います。

インタビューありがとうございました!

著者『わたしは「私」を諦めないことにした』(青春出版社)
 《書籍の詳細はこちら》

https://www.stageshift.net/about-book1

twitter

facebook

line